番外編:応用経済の博士をするまでの経緯(渋谷の場合)

こんにちは。今回は番外編として私(渋谷)が応用経済学部で博士をするに至るまでの経緯について簡単にお話したいと思います。

目的としては、これから経済及び応用経済において博士を考えている人へ少しでも参考・励みになればという感じです。

とはいっても、私は博士受験に時点で既にアメリカにおり、日本からの受験を経験したことが無い為、多くの人にあまり役に立つ情報を提供出来ないかもしれません。そんな方には、今後このブログの他の著者の経験も載せていく予定なのでそちらを是非参考にしてみてください。

加えて、博士している及びこれからしたいという日本人女子と繋がりたいという裏目的も今回はあります。笑 寂しいながら、日本人女子で博士をしている方に合う機会は本当に少なくこの機会に是非ネットワークを広げられればと思う次第です。

最後に、ここに書いてある内容があくまで私の経験であり、N=1且つむき出しの意見である事をくれぐれもご了承ください。特に、社会人受験を考えている人に、こんなメチャクチャなキャリアパスの人でも博士プログラムに受け入れらるんだと、少し希望を持っていただければという思いで執筆した次第です。

博士受験した背景

もともとは日本のメガバンクで働いていたのですが、学部時代から開発に興味がありキャリアチェンジする為、ワシントンDCにある大学で開発学の修士を取るにあたり渡米しました。最初は、完全にオペレーション系の仕事につく事を念頭においていたのですが、修士をしてる時に計量経済とデータプログラミングに出会い、研究者として開発に関わりたいと思うようになりました。

とはいっても、ちゃんとした研究経験はなく、且つ学部は歴史と政治科学とコテコテの文系だったので(若い時は新聞記者になりたかった)、研究助手の仕事をしながら数学を勉強しようという思いつき、修士修業後4年ほどワシントンDCで働きました。

博士受験前の準備

上述の通り、メチャクチャなキャリアチェンジをしているので、経済の博士を受けたいを思っている人で働きながら数学勉強しなくちゃいけない人なんてほとんどいないと思うのですが、万が一私みたいな人がいて少しでも希望をもって貰えればと思います。笑

1.経済博士に必要とされる数学って?:

アメリカで博士受験をする場合、少なくとも、単一及び多変量微分積分、線形代数学、微分方程式と言われたので私はこの科目をDC近辺のコミュニティーカレッジで授業を取りました。(AEAが大学院レベルで必要な数学のリストを出しているのでご参考までに。)

コミュニティーカレッジで取った理由はコスト。私の住んでいた地域のコミュニティーカレッジでは一つの授業をUSD1,600(その他フィー除く)程度だったのですが、修士をとったアメリカン大学やその他周辺の4年制大学だ一クラスUSD5000程度かかってしまうので。

コミュニティーカレッジでは実解析は提供しておらず、USD5,000出せなかったので私は取らなかったです。その代わり、もともと修士をしていた大学で実解析クラスの一歩手前のクラスで、初歩的な数学証明手法を教えるクラスを、卒業生聴講のシステムを使ってUSD100で聴講しました。その時使ってた教科書がこれ。とても分かりやすい且つ無料!この教科書を読んで初めて数学証明って面白いんだなと思ってしまいました。(この気持ちは博士一年目の時少し薄れる。笑)

実解析のクラスが取れなかったのが心配で、合格後博士開始直前の夏に自分で幾分か教科書を使って勉強しました。今になって思うのは、正直、こてこての実解析だけを勉強するのではなく、Mathematics for Economistsを使って、もっと経済に応用された数学を復習する方が為になったかなと思います。

「日本にコミュカレなんてないし、日本で働きながら大学で授業受けるなんて無理なアドバスしないでください」っていう声が聞こえてきます。ごもっともです。私の知り合いの方に、まさに数学のバックグランドが無いけど、どうしても開発経済を博士で勉強したいという人がいて、その方はすべて自分で勉強しGRE Math Subject Testのスコアを数学授業を代わりに受験時に提出していました。(彼は私の通うウィスコンシン大学マディソン校の応用経済学部博士卒。)

2.GREのスコア:

くだらないですが、応用・純経済学の博士受験ではGREの数学スコアがとても大事です。なぜ大事かというと、ある一定のスコアより下だとそもそも出願書を見てもらえない可能性が高いから。ただ、この「一定のスコア」の定義は受験する学校によります。多くの学校は最低限のスコアを定義しているわけではありませんが、過去合格者の平均や中央値を公開しています。この数値を参考にするのがいいかと思います。

加えて、私が受験している時、ファンディングもGREで決まる可能性が高いと聞きました。これもまた学校によってかなり方針が違うのでなんともいえませんが、ともかくGREのMathスコアが高いほうが安心です。

一方で、私がよく聞くのは「GREのVerbalスコアはどうでもいい」とのことです。私の証拠に基づかない意見ですが、これは日本人には当てはまらないと思います。なぜかというと日本人は数学は出来るけど、英語は理解不能な人が多いという固定概念が結構強いからです。GREのVerbalで高いスコアが必要だとは全く思いませんが、極端に低いスコアは改善するべきだと思います。どうしてもすごく低いVerbalスコアを改善出来ない場合、TOEFLスコアで補う等何らかの形で「英語問題ないです」シグナルを送るのが大切かと思います。

3.推薦書及び研究経験:

「推薦書」と「研究経験」は別々のトピックに聞こえますが、私の場合とても密着しているのです。私はそもそも研究経験がなく、且つ修士もどちらかというと実務よりの学校に行ったので「良い推薦者」がいなかったのです。

ここでいう「良い推薦者」とは、私のいい所をたくさん書いてくれると言う意味だけではありません。博士受験でいう「良い推薦者」とは、1)私の事を「よく」知っている、2)私の事を推薦してくれる、3)私が受かりたい学校にコネがある人を指します。

特に社会人受験者にとって難しいのが、1点目と3点目。私はこの点を国際機関の研究部署で研究助手としての仕事を通して解決することにしました。個人的には、私を「よく」知ってもらうには一緒に仕事をすることが一番だと思います。最近では「pre-doctoral」という言葉もあるように、研究助手の仕事を通して推薦者を見つけるというのは良い方法だと思います。

もちろん、研究助手として働く事は推薦者を得るという戦略的な意味だけでなく、研究者の卵として学ぶ所もかなり多くありますが、これを書き出すと話が長くなるので今回は受験という観点だけに絞って書きました。需要があれば私の研究助手としての経験及び学びについて後ほど書いてもいいかなと思います。(需要は以下に書いてある方法で表してください。)

最後に

今回書いた事で質問があれば是非!特に、社会人受験を考えている方、日本人女性で応用・純経済博士を考えている方、私で良ければご質問回答しますので、以下の方法でご連絡ください。

今回の内容は全く参考にならないと思う方!笑 その気持ちご察しいたします。他の3人の意見も今後ちょこちょこ載せていく予定です。

本ブログ記事に対するご感想や、本ブログ全体に関わるご意見などもありましたら、下にコメントを残すか、econ.blog.japan@gmail.comまでご連絡ください。

また、Twitterアカウントの@EconJapanのフォローもよければお願いします。Twitterでの本ブログのコメント・拡散も歓迎です。その際は、#econjapanblogをお使いください!

渋谷

Written on October 23, 2020